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簿記とは
簿記(ぼき、英語: bookkeeping)とは、ある経済主体が経済取引によりもたらされる資産・負債・純資産の増減を管理し、併せて一定期間内の収益及び費用を記録することである。より平易な言い方をすると「お金やものの出入りを記録するための方法」
とWikipediaにありますが、簡単にいうと帳簿を付けることです。簿記検定は人気資格の一つです。
色々ポイントをまとめたい
私も初学者なのですが、しばらく勉強していると「なるほど!」
と最初は見えていなかったものが見えてきたのでそのポイントを
まとめてみたいと思いました。
お小遣い帳だけじゃない帳簿
ネットで見つけたものですが↑みたいなものがお小遣い帳の典型的なものです。
日付があって何をして、収入か支出かに金額を書いて残高を記録する。
ぱっと見るとこれですべて帳簿として十分なんでは?
と思われる方もいるのではないでしょうか。
実際のところ、一般家庭ではこれだけでも十分なことは多いと思います。
さらに言えば、似たような帳簿は簿記でも使います。
現金出納帳と呼ばれるものです。
しかし、企業の帳簿は現金出納帳だけではありません。
現金出納帳はいわゆる財務諸表ですらないです。
「一般家庭では十分」と書いたのには理由があります。
そもそも帳簿を付ける理由
主に企業が帳簿をつける理由に立ち返るとこれだけで足りない理由がわかります。
- 株式会社は利益や財産を株主に公開する必要がある
- 税金を払うために利益を計算する必要がある
- お金を借りるために財務状況を銀行に見せる必要がある
などなどです。
お小遣い帳だけだと何が起きる?
10万円の融資をする側の銀行員になって考えてみましょう。
お金を借りに来た人のお小遣い帳を見ると最終残高は1000万円だったとします。
1000万円あれば10万円くらいなんとか貸してくれると思ったかもしれませんがお小遣い帳(流石に実際には通帳になると思いますが)で貸してくれる人はいないです。
例を挙げるとわかりやすいでしょう。この人の借金が1億だったとすると1000万円持っていても融資しないでしょう。
では借金残高と現金残高がわかれば融資の判断できるのでしょうか?多分できません。この人が1兆円の不動産を持っていて、有価証券(株など)も
1兆円持っていたらどうでしょう。
確実に貸すかどうかははわかりませんがお小遣い帳の情報だけでは融資しなかった銀行員も他の資産を見たら融資を検討しますよね。
つまり、金融資産として考えるのには現金の最新情報(つまり現金残高)だけ
では足りないのです。
では何が必要?
- 現金の増減を記した キャッシュフロー計算書
- 資産の現状を示した 貸借対照表
- 損益の増減を記した 損益計算書
が必要です。利用例を上げてみましょう。
今年の上半期の現金の変動を把握したい → キャッシュフロー計算書
キャッシュフローを把握しないと、突然倒産してしまう可能性もあります。
会社で買った車、家、土地などの資産状況を把握したい → 貸借対照表
負債も記録されるので借金なども把握できます。
今年払うべき税額を知りたい、事業が利益を上げているか知りたい → 損益計算書
キャッシュフローと損益って同じじゃないの?
キャッシュフローというのは現金の流れ、です。
お小遣い帳と同じように、いくら現金が入ってきて、いくら出て行くか
という流れのことです。一般に「キャッシュフローが回らない」というのは
現金の出金が入金よりも先行していて、現金が減って行くことを指します。
最初の頃は、キャッシュフローと損益が同じことのように思えてなかなか
頭に入らなかったのですが、色々学ぶことで、家庭では損益計算書は
ほとんど不要なのでイメージが付きづらかったと気づきました。
個人では給料で100円をもらって、この100円を使って、文房具を買っても
所得税は100円に対して払う必要があります。当たり前ですね。
(細かい控除などは除いています)
企業では100円の利益を上げていても、100円の事務用品を買ったら
利益は0円となり(基本的には)法人税(個人で言う所得税)は0円になります。
つまり、個人ではざっくり言ってしまえば基本的に損金(税金の計算上、利益を減ったものとして良い金額)が(ほぼ)ないのです。いわゆる経費ですね。
しかし、法人経営をすると、この例のように損金の概念が多く出てくるため、
損益計算という概念が必要だと気づきます。
ただ、ここまででは、損益の必要性は理解できた気がしても、
まだピンと来ない方もいるのでは、と思います。
損益は「個人の感覚によらない」
もう一つ別の例を示します。
1株100円分の株を持っていたとします。この株が期末に200円分に
なったとします。
この場合、税務上は100円の利益という計算をすることになります。
株が値上がったとは言え、実際に財布の金額は変わっていないにも関わらず、
利益としては100円増えたと計算するのです。
このように損益という考え方があるため、損益計算書が別途必要になります。
ポイントは「損益は税務上(または会計上)定められている」というものです。
「利益を確定していない以上は利益として私は考えない」というのは
税務や簿記では通用しません。
損益は個人の感覚に依存せず決まるようになっています。
これは当たり前の話で、「私の感覚では当社は利益を上げていないので納税しません」
とか「私の感覚では当社は大幅な利益を上げているのでどんどん株を買ってください」
とかを許したら、経済は成り立たなくなります。
企業における損益という表現は税務上・会計上のルールとして客観的に判断されます。「私(あなた)が得と感じているかどうか」は関係ないのです。
慣れないうちは、
キャッシュフローは現金の入出金
損益は”法律で決められた”損得の計算
と覚えるのが間違わなくていいかもしれません。
大きな一歩ですがまずは損益を必ずルールに従って判断する癖を付けましょう。
コメント
[…] 前回の記事で、 キャッシュフローは現金の入出金 損益は”法律で決められた”損得の計算 と覚えました。 […]